衛星データで描くエチオピアのコーヒー適地マッピング
# ☕ エチオピアコーヒー適地マッピング
## ― 衛星データで「コーヒー2050年問題」に挑む ―
> **Frontier Academy Fukuoka 卒業制作(2026年6月)**
> 作成者:森山 光明(Mitsuaki Moriyama)
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## 🌍 このプロジェクトについて
地球規模の気候変動により、2050年までに**現在のアラビカコーヒー栽培地の約50%が栽培不適地になる**と予測されています(Bunn et al., 2015)。
通称「**コーヒー2050年問題**」と呼ばれるこの課題に対し、本プロジェクトでは **衛星リモートセンシング × データ分析** の観点からアプローチします。
世界的なコーヒー産地であり、アラビカ種発祥の地でもあるエチオピアを対象に、複数の衛星データを統合して**現状の栽培適地を可視化**。既知の三大産地(Sidamo / Yirgacheffe / Harrar)との一致を検証することで、衛星データだけから「どこでコーヒーが育つか」を再現できることを示しました。
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## 🎯 なぜこのテーマを選んだか
私は卒業前の18年間、スターバックスコーヒージャパンで店長として勤務してきました。エチオピア産のコーヒー豆も日々お客様に提供してきました。
しかし、**「あのカップに入っているコーヒーは、どこで、どんな環境で育っているのか」**を考えたことはあっても、自分の目で俯瞰したことはありませんでした。
職業訓練校でPythonとデータ分析を学ぶうちに、**衛星データを使えば現場では絶対に見られないスケールでコーヒーを「見る」ことができる**と気づき、このテーマに辿り着きました。
> コーヒーは、気候変動の影響を最も受けやすい作物のひとつ。
> 18年間「価値を伝える」仕事をしてきた人間が、これからは「データで価値を可視化する」仕事ができないか。
> その第一歩として、このプロジェクトを設計しました。
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## 🛰️ 使用データ
すべて **Google Earth Engine(GEE)** から取得した、無料で公開されている衛星・気候データを使用しています。
| データ | プロダクト | 解像度 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 標高 | SRTM (USGS) | 30m | DEM(数値標高モデル) |
| 気温 | ERA5-Land | 約11km | 年平均気温(2020-2024平均) |
| 降水量 | CHIRPS | 約5.5km | 年降水量(2020-2024平均) |
| 植生 | Sentinel-2 SR | 10m | NDVI(光合成活性指標) |
| 国境 | FAO GAUL 2015 | - | エチオピア国境ポリゴン |
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## 🌱 アラビカコーヒーの適地条件
既存の農学研究(ICO、DaMatta et al., 2007、Bunn et al., 2015)から、アラビカ種の適地条件を以下の閾値モデルに落とし込みました。
| 要素 | 最適範囲(スコア1.0) | 許容範囲(スコア0.5) | 範囲外(スコア0.0) |
|---|---|---|---|
| 標高 | 1500〜2200m | 1200〜2500m | それ以外 |
| 年平均気温 | 18〜22℃ | 15〜24℃ | それ以外 |
| 年降水量 | 1200〜1800mm | 1000〜2000mm | それ以外 |
| NDVI | 0.4以上 | 0.3以上 | 0.3未満 |
これらを**重み付き合成**して総合適地スコアを算出:
```
適地スコア = 標高(0.30) + 気温(0.30) + 降水量(0.25) + NDVI(0.15)
```
標高と気温を重視したのは、コーヒーの**昼夜寒暖差・品質形成**において最も重要な要素だからです。
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## 📊 結果
### 1. エチオピアのコーヒー適地マップ
濃い赤ほど適地スコアが高く(最適)、白いほど不適地を示します。
**主な観察:**
- 中西部〜南西部の高地(オロミア州・南部諸民族州)に濃い赤の領域が集中
- 東部に独立した赤い帯(Harrar産地)
- 北東部のダナキル砂漠・東部低地は不適地として正しく判定
### 2. 三大産地による妥当性検証
エチオピアを代表する三大コーヒー産地で、モデルの妥当性を検証しました。
| 地点 | 標高(m) | 気温(℃) | 降水量(mm) | NDVI | 適地スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| Sidamo | …